専門的支援実施加算とは|児発・放デイの算定要件【2026年版】
- 和久 竹村
- 20 時間前
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結論:令和6年度に「2段階」へ再編された加算です
専門的支援実施加算(せんもんてきしえんじっしかさん)は、児童発達支援・放課後等デイサービスにおいて、専門職員が障害児ごとに個別・集中的な支援を計画的に実施した場合に算定する加算です。
最大のポイントは、令和6年度(2024年度)報酬改定で旧「専門的支援加算」と旧「特別支援加算」が統合・再編され、専門職員の「配置」を評価する専門的支援体制加算と、専門的支援の「実施」を評価する専門的支援実施加算の2段階の体系に変わった点です(こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について」)。
つまり、専門職を配置するだけ(体制加算)と、実際に計画的な支援を行うこと(実施加算)が、別々に評価されるようになりました。古い名称(専門的支援加算・特別支援加算)と混同しないようご注意ください。
なお、対象職種・単位数・算定回数などの具体的な数値は、お読みになる時点の最新の報酬告示・留意事項通知でご確認ください。本記事の数値は令和6年度改定時点の内容を整理したものです。
令和6年度改定で何が変わったのか
旧加算の統合・再編
改定前は「専門的支援加算」と「特別支援加算」という2つの加算が存在していました。令和6年度改定では、これらが統合され、次の2つに再編されました(こども家庭庁 支援局障害児支援課 事務連絡 令和6年4月1日ほか)。
専門的支援体制加算 … 基準の人員に加えて専門職員を配置している体制を評価
専門的支援実施加算 … 専門職員による個別・集中的な支援を計画的に実施したことを評価
「体制(配置)」と「実施(中身)」を分けて評価する仕組みになったのが、今回の改定の考え方です。
対象となるサービス
専門的支援体制加算・専門的支援実施加算は、いずれも児童発達支援および放課後等デイサービスが対象です。本記事ではこの2サービスを前提に解説します。
専門的支援実施加算の算定要件
対象となる専門職員
専門的支援実施加算の対象となるのは、おおむね次の職種です(こども家庭庁の留意事項通知ベース)。
理学療法士(りがくりょうほうし)
作業療法士(さぎょうりょうほうし)
言語聴覚士(げんごちょうかくし)
心理担当職員
視覚障害児支援担当職員
保育士(児童福祉事業に5年以上従事した者に限る)
児童指導員(児童福祉事業に5年以上従事した者に限る)
保育士・児童指導員については「経験年数」の要件が設けられている点が重要です。経験年数の数え方(資格取得・任用からの児童福祉事業の従事経験など)は通知で定義されていますので、必ず最新の告示・通知で要確認です。
◇「実施計画」の作成が前提
この加算は、ただ専門職が支援するだけでは算定できません。個別支援計画を踏まえ、専門職員が障害児ごとに「専門的支援実施計画」を作成することが前提です。実施計画には、アセスメントの結果、支援を行う領域、達成目標、具体的な支援内容などを記載することが想定されています。
加えて、実際に行った支援の内容を記録した支援記録を、対象児ごとに作成・保管しておく必要があります。実地指導(現在の「運営指導」)でも確認されやすい部分ですので、計画と記録の整備は丁寧に行ってください。
1回あたりの支援時間
専門的支援実施加算は、1回あたり30分以上の時間を確保して個別・集中的な支援を行うことが要件とされています。短時間の関わりでは算定できない点に注意が必要です。
外部派遣は対象外
この加算は、事業者と雇用契約を締結し、その事業所に配置されている専門職員による支援であることが前提です。外部から派遣された専門職による支援は加算の対象外とされていますので、人員の雇用形態にもご注意ください。
単位数と月の算定回数の上限
単位数(令和6年度改定時点)
令和6年度改定時点では、専門的支援実施加算は1回につき150単位、専門的支援体制加算は1日につき123単位とされています(児童発達支援・放課後等デイサービス共通)。
ただし、単位数は改定や見直しで変わり得るため、必ず最新の報酬告示でご確認ください。実際の報酬額は、地域区分による1単位あたりの単価を乗じて計算します。
月の算定回数は「利用日数」で変わる
専門的支援実施加算には、月あたりの算定回数の上限があり、その子の月の利用日数によって異なります(令和6年度改定時点)。
放課後等デイサービス
月の利用6日未満 … 月2回まで
月の利用6日以上12日未満 … 月4回まで
月の利用12日以上 … 月6回まで
児童発達支援
月の利用12日未満 … 月4回まで
月の利用12日以上 … 月6回まで
回数の区分はサービス種別で異なります。古い資料の数値と取り違えないよう、最新の通知でご確認ください。
よくある誤解と注意点
体制加算と実施加算は「別物」
専門的支援体制加算(配置の評価)と専門的支援実施加算(実施の評価)は別の加算です。体制が整っていても、計画に基づく個別・集中的な支援を実施し、計画・記録を整えていなければ実施加算は算定できません。両者の関係を正しく理解しておくことが大切です。
指定権者によって運用が異なることがある
加算の届出様式、添付書類、経験年数の確認方法などの取扱いは、指定権者(都道府県・指定都市・中核市・児童相談所設置市など)によって細部が異なる場合があります。届出の前に、必ず管轄の自治体の様式・手引きをご確認ください。
まとめ
専門的支援実施加算は、令和6年度改定で「配置」と「実施」を分けて評価する体系に再編された、障害児支援の質を反映する加算です。算定にあたっては、(1)対象となる専門職の配置(雇用)、(2)専門的支援実施計画の作成、(3)30分以上の個別・集中的支援の実施と記録、という3点が柱になります。
具体的な対象職種・単位数・算定回数は改定や自治体運用で変わり得ます。最新の報酬告示・留意事項通知と、管轄自治体の様式を必ずご確認のうえ、計画・記録の整備を進めてください。
結和法務事務所(旧シャルム)では、障害福祉サービスの指定申請・加算届出のサポートを行っています。加算の体制づくりや届出書類でお困りの際は、お気軽にご相談ください。
■よくある質問(FAQ)
Q1. 専門的支援加算・特別支援加算はなくなったのですか?
A. 令和6年度報酬改定で、旧「専門的支援加算」と旧「特別支援加算」は統合・再編され、専門的支援体制加算と専門的支援実施加算の2つの体系に変わりました。古い名称のままの資料は改定前の内容である可能性があるためご注意ください。
Q2. 専門職を配置すれば実施加算も算定できますか?
A. いいえ。配置を評価するのは体制加算です。実施加算は、専門的支援実施計画を作成し、計画に基づく30分以上の個別・集中的支援を実施・記録して初めて算定できます。
Q3. 対象となる職種を教えてください。
A. 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・心理担当職員・視覚障害児支援担当職員のほか、児童福祉事業に5年以上従事した保育士・児童指導員が対象です。経験年数の数え方は最新の通知でご確認ください。
Q4. 外部の専門家に来てもらう形でも算定できますか?
A. この加算は事業者と雇用契約を結び事業所に配置された専門職員による支援が前提とされており、外部派遣による支援は対象外とされています。
Q5. 単位数や算定回数は今後も同じですか?
A. 単位数・算定回数は報酬改定で見直される可能性があります。本記事は令和6年度改定時点の整理であり、実際の算定にあたっては最新の報酬告示・留意事項通知を必ずご確認ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の算定可否を保証するものではありません。具体的な取扱いは、最新の告示・通知および管轄の指定権者の運用に従ってください。
(出典:こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について」、こども家庭庁支援局障害児支援課 事務連絡 令和6年4月1日、各報酬告示・留意事項通知)
