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常勤換算の計算方法|障害福祉の人員基準を満たす考え方と計算例をわかりやすく解説

執筆者の写真: 和久 竹村
和久 竹村
13 時間前
読了時間: 8分

 

結論|常勤換算は「勤務時間の合計 ÷ 常勤の所定時間」で出し、勤務形態一覧表で示す

常勤換算(じょうきんかんさん)とは、非常勤職員を含む従業者の勤務時間を、「常勤の従業者が勤務すべき時間数」で割って、常勤職員何人分に当たるかを表す方法です。障害福祉サービスの人員基準(職員の配置に関する最低ラインを定めたルール)では、「常勤換算で○人以上」という形で職員数が定められているサービスが多くあります。

計算の基本は次のとおりです。

  • 常勤換算数 = 対象職種の従業者の勤務延べ時間数(1か月分)÷ 常勤の従業者が勤務すべき時間数(1か月分)

実務では、この計算結果を「勤務形態一覧表」に毎月まとめ、人員基準を満たしているかを自分で確認し、指定申請や実地指導で説明できる状態にしておくことが大切です。ただし、育休・短時間勤務の扱いや端数の処理、休暇や研修時間の算入などは、サービス種別や指定権者(都道府県・市など指定を行う自治体)によって取扱いが異なる場合があります。最新の基準・解釈通知と、自社の指定権者の手引きで確認してください(出典:厚生労働省「障害福祉サービスについて」関連ページ)。


 

 

 

そもそも常勤換算とは

「常勤」と「常勤換算」は別の概念

名前が似ているため混同されやすいのですが、この2つは意味が違います。

  • 常勤:事業所で定めた就業規則上の勤務時間(常勤の従業者が勤務すべき時間数)に達して勤務していること。

  • 常勤換算:非常勤を含む職員の勤務時間を、常勤の人数に直して数える計算方法。

人員基準には、「常勤であること」を求める職種(管理者やサービス管理責任者など、サービスによって異なります)と、「常勤換算で○人以上」を求める職種があります。前者は働き方の区分の問題、後者は配置の量の問題です。自社のサービスでどちらが求められているかを、まず基準で確認しましょう。

「常勤」は働き方の区分、「常勤換算」は配置の量を測る計算方法です。まず自社のサービスでどちらが求められているかを確認しましょう。

項目

常勤

常勤換算

意味

就業規則上の所定の勤務時間に達して勤務していること

非常勤を含む職員の勤務時間を、常勤の人数に直して数える計算方法

人員基準での位置づけ

働き方の区分の問題

配置の量の問題

常勤換算が使われる理由

常勤職員だけで人員を揃えるのは難しい事業所も多く、短時間勤務やパートタイムの職員が現場を支えています。常勤換算を使えば、こうした職員の勤務時間も「何人分の働きか」として合計でき、配置が基準に足りているかを同じ物差しで判断できます。

 

計算の手順

STEP1 常勤の従業者が勤務すべき時間数を決める

基準となるのは、事業所の就業規則などで定めた常勤職員の所定勤務時間です。週単位で定めている場合は、1か月分に直して使います。法令上の下限や月への換算方法には細かな取扱いがあるため、最新の解釈通知と指定権者の手引きで確認してください。

STEP2 対象職種の勤務延べ時間数を集める

人員基準の対象となる職種(生活支援員、世話人、職業指導員など、サービスごとに異なります)ごとに、その月に実際に勤務した時間を合計します。勤務時間は、勤務形態一覧表やタイムカード、勤怠記録などの客観的な記録をもとにします。

STEP3 合計時間を常勤の所定時間で割る

勤務延べ時間数を、STEP1の時間数で割ります。端数の扱い(小数点以下をどう処理するか)は、指定権者の手引きで定められている場合があります。

STEP4 基準の人数と比べる

算出した常勤換算数が、基準で求められる人数以上かを確認します。利用者数に応じて必要人数が変わるサービスもあるため、前年度の平均利用者数などの数え方も合わせて確認しましょう。

 

 

 

計算例(数字は説明用の仮定です)

以下は、考え方を理解するための設例です。実際の基準値や数え方を示すものではありません。

例1 常勤と非常勤が混在する場合

常勤の従業者が勤務すべき時間数を、1か月160時間と仮定します。ある職種の勤務状況が次のとおりだったとします。

  • 職員A(常勤):月160時間

  • 職員B(非常勤):月80時間

  • 職員C(非常勤):月64時間

  • 職員D(非常勤):月48時間

勤務延べ時間数の合計は352時間です。これを160時間で割ると、常勤換算数は2.2になります。人数にすると4人ですが、常勤換算では2.2人分と数えます。仮に基準が「常勤換算で2.5以上」であれば不足となり、職員の勤務時間を増やすか、増員を検討することになります。

この設例では、職員は4人でも常勤換算では2.2人分です。人数ではなく、勤務時間の合計で基準を確認します。

例2 兼務がある場合

職員Eが月160時間勤務し、そのうち80時間は自事業所の生活支援員として、残りの80時間は別の業務に従事していたと仮定します。この場合、自事業所の生活支援員としての常勤換算に入れられるのは、80時間分の0.5です。兼務の時間は、職種や事業所ごとに分けて集計します。ただし、兼務が認められる範囲は職種やサービスによって異なるため、基準で確認してください。

 

育休・短時間勤務の扱い

育児休業中の職員

育児休業などで休んでいる職員は、その期間は勤務していないため、原則として勤務延べ時間数に含められません。人員基準を満たすには、その分を他の職員の勤務時間や代替職員で補う必要があります。代替職員を配置した場合の取扱いや、休業中の職員を常勤としてどう扱うかは、サービス種別や指定権者によって運用が異なる場合があります。事前に指定権者へ確認すると安心です。

育児・介護のための短時間勤務

育児や介護のための短時間勤務制度を利用している職員は、勤務時間が常勤の所定時間より短くなります。この場合でも、一定の条件のもとで「常勤」として扱える取扱いが示されていることがあります。ただし、その場合の勤務時間の下限や、常勤換算への算入方法は、解釈通知と指定権者の手引きで確認してください。条件の読み違えは、人員基準違反につながるおそれがあります。

パート・短時間職員の扱い

通常のパートタイムの職員は、勤務した時間数に応じて常勤換算に算入します。勤務時間が短い職員が多い事業所では、1人欠けただけで基準を割り込むことがあるため、月の途中で配置が崩れていないかを早めに確認しましょう。

 

勤務形態一覧表との関係

一覧表は常勤換算の「見える化」

勤務形態一覧表は、職員ごとの職種、常勤・非常勤の別、兼務の状況、1か月の勤務予定や実績、常勤換算後の人数などをまとめる帳票です。指定申請や、人員に関わる加算の体制届出、変更届などで提出を求められます。様式は指定権者ごとに定められているため、自治体の様式に従ってください。

予定と実績の両方を管理する

申請時は勤務予定で人員基準を満たす計画を示しますが、開業後に問われるのは実際の勤務実績です。実地指導では、一覧表の内容と、出勤簿・タイムカード・賃金台帳などが合っているかが確認されやすい点です。

実務で押さえたいポイント

  • 職員ごとの所属事業所、職種、兼務の内訳を、一覧表と勤怠記録で食い違わないように記載する。

  • 毎月、締め日ごとに常勤換算数を再計算し、基準を満たしているかを確認する。

  • 欠員、退職、休業が出たときは、早めに配置を見直し、必要に応じて変更の届出を検討する。

  • 休暇や研修の時間を勤務時間に含めるかどうかは、指定権者の取扱いを確認して統一する。

 

よくある間違い

  • 常勤と常勤換算を同じ意味だと考えてしまう。

  • 兼務の職員の全時間を、そのまま1つの職種に入れてしまう。

  • 就業規則の所定時間と、計算に使う常勤の時間数がずれている。

  • 育休や短時間勤務の職員を、確認なしに常勤として数えてしまう。

  • 計算はしているが、勤務形態一覧表と勤怠記録が一致していない。

 

 

 

よくある質問(FAQ)

Q1. 常勤換算の計算式を教えてください。

対象職種の従業者の勤務延べ時間数(1か月分)を、常勤の従業者が勤務すべき時間数(1か月分)で割ります。端数の処理は、指定権者の手引きで確認してください。

Q2. 非常勤職員は常勤換算に入れられますか?

入れられます。勤務した時間数を合計して計算します。ただし、サービスや職種によっては常勤での配置が求められるものもあるため、基準で確認してください。

Q3. 育休中の職員は常勤換算に含められますか?

休業中は勤務していないため、原則として勤務時間には含められません。代替職員の扱いなどは、指定権者によって運用が異なる場合があるため、事前の確認をおすすめします。

Q4. 勤務形態一覧表は、毎月作成する必要がありますか?

提出が必要な場面は、指定申請や体制届出などです。ただし、実地指導に備えて、毎月の勤務実績を整理し、常勤換算を確認しておくことをおすすめします。具体的な運用は指定権者の指示に従ってください。

Q5. 兼務している職員は、どう計算すればよいですか?

自事業所の対象職種として従事した時間のみを、その職種の勤務時間に算入します。兼務できる範囲は基準で限られているため、職種ごとに確認してください。

 


 


 

まとめ

 

 

常勤換算は、「勤務延べ時間数 ÷ 常勤の所定時間数」で、非常勤を含む職員の配置量を測る方法です。手順は、常勤の時間数を決め、対象職種の勤務時間を集め、割って、基準と比べるという流れです。育休や短時間勤務の扱い、端数処理、休暇や研修の算入は、サービス種別や指定権者で取扱いが異なる場合があるため、最新の基準と手引きで確認してください。計算結果は勤務形態一覧表に整理し、勤怠記録と一致させておくことが、指定申請や実地指導への備えになります。

行政書士 結和法務事務所では、指定申請や体制届出にあわせて、勤務形態一覧表の作成と人員基準の確認をお手伝いします。常勤換算の数え方や職員配置にお困りの際は、お気軽にご相談ください。

(本記事は一般的な情報を整理したものです。実際の人員基準の判断・計算方法・必要書類は、最新の基準・解釈通知および各指定権者の取扱いによります。個別のご判断は指定権者または専門家にご確認ください。)

 

出典・参考

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