top of page

送迎加算の要件と単位数|片道・往復の数え方と届出を解説

執筆者の写真: 和久 竹村
和久 竹村
7月4日
読了時間: 8分

結論|送迎加算は「1回ごと」に算定し、届出と記録が要


送迎加算(そうげいかさん)とは、事業所が利用者の通所のための送迎を行った場合に、報酬に上乗せして算定できる加算です。最大のポイントは、片道の送迎を「1回」、往復なら「2回」として、運行ごとに算定する点にあります。


算定するには、原則として「週3回以上の送迎」「1回あたりの平均送迎人数」といった要件を満たし、あらかじめ指定権者(都道府県・市など指定を行う行政庁)へ体制等の届出を行う必要があります。さらに、運行の記録を残し続けることが算定の前提です。


単位数はサービス種別と報酬改定によって変わります。本記事では考え方と実務を中心に整理し、具体的な単位数は「最新の報酬告示・留意事項通知で要確認」を前提にお読みください(出典:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について」、こども家庭庁の報酬改定資料)。


そもそも送迎加算とは


通所のための送迎を評価する加算


送迎加算は、利用者を自宅・最寄り駅・集合場所などと事業所との間で送迎した場合に算定します。利用者の通所機会を確保するための仕組みで、生活介護や就労継続支援、児童発達支援・放課後等デイサービスなど、多くの通所系サービスに設けられています。


片道=1回、往復=2回が基本


数え方はシンプルです。行きだけ(または帰りだけ)の送迎は「片道1回」、行き帰り両方を送迎すれば「往復2回」としてカウントします。1日に往復すれば、その日は2回分を算定する考え方になります(出典:各自治体の送迎加算の手引き、専門事業者の解説)。


対象となる主なサービス


送迎加算が設けられている代表的なサービスは次のとおりです。サービスごとに要件や単位の体系が異なるため、自社のサービス種別の告示・通知を確認してください。


  • 生活介護

  • 自立訓練(機能訓練・生活訓練)

  • 就労移行支援

  • 就労継続支援A型・B型

  • 就労定着支援等の一部(運用は指定権者の取扱いを確認)

  • 児童発達支援

  • 放課後等デイサービス


なお、令和6年度報酬改定では、生活介護等において、それまで対象外とされていた施設入所者についても日中活動の送迎を評価する見直しが行われたとされています。対象範囲は告示・通知で必ず確認してください(出典:厚生労働省 令和6年度報酬改定資料、専門事業者の解説)。


算定要件の基本(生活介護・就労系のイメージ)


主な2つの要件


生活介護や就労系サービスの送迎加算では、一般に次の2要件が論点になります。


1. 回数の要件:原則として、その月において週3回以上の送迎を実施していること

2. 人数の要件:1回の送迎につき、その月の平均で概ね10人以上を送迎していること(定員20人未満の事業所は、1回あたり平均で定員の概ね50%以上)


これらをどう満たすかによって、加算の区分(送迎加算(Ⅰ)・(Ⅱ)など)や単位が変わる体系になっています。区分の考え方や数値の閾値はサービス・改定で異なるため、最新の告示で確認してください(出典:各自治体の手引き、専門事業者の解説)。


同一敷地内・近接の取扱い


同一敷地内の事業所との間の送迎など、近接した範囲の送迎については、所定単位数の70%で算定するなど、減算的な取扱いが定められている場合があります。多機能型事業所や同一敷地内に複数事業所がある場合は、原則として一の事業所として取り扱う、といった整理もあります。自社の立地・運行ルートが該当するかは、必ず手引きで確認しましょう。


重度者への上乗せ


生活介護では、障害支援区分が重い利用者の割合が一定以上の場合に、片道あたりの単位を上乗せする取扱いが設けられているとされます。割合の閾値や上乗せ単位は告示で要確認です(出典:自治体手引き、専門事業者の解説)。


児童(児発・放デイ)の送迎加算の考え方


児童発達支援・放課後等デイサービスでも、片道ごとに送迎加算を算定します。令和6年度改定では、医療的ケア児・重症心身障害児への送迎について、こどもの医療的な必要度を踏まえた上乗せ評価が整理されました。重症心身障害児や医療的ケア児を送迎する場合に、片道あたり一定単位を加算する取扱いがあるとされています。


具体的な単位数(基本部分・上乗せ部分・スコアによる区分など)はこども家庭庁の報酬改定資料・告示・Q&Aで必ず確認してください。数値は改定で変動するため、本記事では断定しません(出典:こども家庭庁「令和6年度障害児支援の報酬改定」関連資料・Q&A)。


単位数の目安と「要確認」の前提


参考として、専門事業者の解説では、送迎加算の単位は「片道◯◯単位」という形でサービスごとに設定され、要件の充足状況により区分が分かれると説明されています。たとえば生活介護・就労系では片道数十単位程度、児童系では別体系、というイメージです。


ただし、


・サービス種別ごとに単位体系が異なる

・報酬改定で単位や要件が見直される

・指定権者によって運用・取扱いが異なる場合がある


ため、本記事では具体的な単位数を確定値として掲げません。算定にあたっては、必ず最新の報酬告示・留意事項通知、および自社の指定権者が公表する手引きで数値を確認してください。裏付けのない数値で請求すると、返還リスクにつながります。


実務の注意点|記録・運行管理を厚く


送迎加算は「実施した事実」を客観的に残せるかが要です。実地指導・監査で確認されやすい論点を中心に整理します。


運行の記録を残す


送迎を行った日付、利用者、ルート(送り・迎えの別)、運行を担当した者などを記録に残します。記録は加算算定の根拠資料になるため、保存期間(自治体により5年間など)に従って保管してください。記録がないと、実施していても算定が否認される可能性があります。


運行管理・安全管理


送迎は車両運行を伴うため、運転者の確保、車両管理、保険、緊急時対応など、安全面の体制整備が前提になります。これらは加算の直接要件でない場合でも、事故時のリスク管理として欠かせません。


人数・回数のカウント方法を統一する


「平均10人以上」「週3回以上」などの要件は、月単位の集計で判定します。誰が・どの運行を・何回として数えるかの基準を事業所内で統一し、集計表を整備しておくと、要件充足の説明がしやすくなります。


他事業所利用者の同乗


令和6年度改定では、送迎に関する委託契約等を締結した他の事業所等の利用者を同乗させた場合の取扱いが整理されたとされています。同乗を行う場合は、契約関係・按分・記録の整備を含めて、指定権者の取扱いを確認してください。


届出(体制等の届出)の流れ


事前の届出が必要


送迎加算を算定するには、あらかじめ指定権者へ「介護給付費等の算定に係る体制等に関する届出」を行う必要があります。一般に、


  • 体制等に関する届出書

  • 体制等状況一覧表

  • (人員配置に関わる加算では)勤務形態一覧表 等


を提出します。送迎加算で必要な添付書類は自治体ごとに異なるため、指定権者の様式・チェックリストに従ってください。


届出の時期と算定開始月


体制届出には締切と算定開始月のルールがあります。一般的な例として、「毎月15日以前に届け出た場合は翌月から、16日以降は翌々月から算定可能」とされます。年度途中でも届出は可能ですが、タイミングを誤ると算定開始が遅れます。具体的な締切日・運用は指定権者の案内で確認してください(出典:各自治体の体制届出に関する案内、専門事業者の解説)。


よくある質問(FAQ)


Q1. 往復で送迎したら何回分を算定できますか?

片道を1回として数えるため、往復した場合は2回分を算定する考え方が基本です。1日に往復すれば、その日は2回としてカウントします。記録上も「送り」「迎え」を分けて残すと整理しやすくなります。


Q2. 単位数は何単位ですか?

サービス種別と報酬改定によって異なります。本記事では確定値を掲げていません。最新の報酬告示・留意事項通知、および自社の指定権者の手引きで必ず確認してください。


Q3. 同一敷地内の送迎でも同じように算定できますか?

同一敷地内など近接した範囲の送迎は、所定単位の70%で算定するなど、通常と異なる取扱いが定められている場合があります。自社の立地・ルートが該当するかを手引きで確認してください。


Q4. 届出をすればすぐ算定できますか?

原則として届出月の翌月(または翌々月)からの算定になります。締切日(例:15日/16日の区切り)と算定開始月のルールは指定権者ごとに異なるため、早めの届出をおすすめします。


Q5. 記録はどのくらい残せばよいですか?

運行記録は加算算定の根拠資料です。保存期間は自治体により5年間などと定められている場合があります。指定権者の定めに従い、確実に保管してください。


まとめ


送迎加算は、片道1回・往復2回という運行単位の算定、週3回・平均人数といった要件、同一敷地内の取扱い、そして体制届出と運行記録が論点になります。単位数はサービスと改定で変わるため、必ず最新の告示・通知・自社の指定権者の手引きで確認することが、適正な算定と返還リスク回避の第一歩です。


送迎加算の届出や、要件の整理にお困りの際は、行政書士 結和法務事務所までお気軽にご相談ください。


(本記事は2026年6月時点の一般的な情報を、行政書士監修のもと整理したものです。実際の算定可否・単位数・必要書類は、最新の報酬告示・留意事項通知および各指定権者の取扱いによります。個別のご判断は指定権者または専門家にご確認ください。)

bottom of page